私は、昨年3月に会社を早期退職し、2つの大学に聴講生として通うようになり、哲学などを学んでいる。
今日は、A大学の哲学の授業の後期試験日だった。
後期試験の内容については、先週の授業で予告があり、一問一答の哲学の基本知識を問う問題と、論述問題が出題されること、論述問題については4つから1つを選んで答えるように指示があった。
私が論述問題で選んだのは、「自由に生きることと善く生きることの関係をどのように考えられるか。ストア派、アウグスティヌス、スピノザ、カント、シェリング、レヴィナスらの思想を踏まえて論じなさい。」というもの。
1週間をかけて文献を調査し、構想を練って準備をしてきた。月曜日くらいで答案を作成させたところまでは良かったが、それを覚えるのが大変。今回の試験は持ち込み不可で、書いた答案を暗記しなければならない。50代になり記憶力の衰えは隠せない。
実際の試験では更に問題が生じた。もともとの論文の記述量が多すぎて試験の答案用紙に書ききれないだけでなく、時間が足りないことが判明した。急きょ論述の構成を変更して、4割ぐらいカットして答案を作成した。しかし、そうすると、何とも物足りない内容で、文章も恥ずかしいぐらい、たとだとしく、およそ学術論文に値しないように感じた。短く書くパターンも準備しておくべきだった。
1時間の試験時間があっという間に終わった。一問一答問題は全問解答できたが、論述問題には多大な悔いを残した。
今回の試験は100人余りが大教室で受験したが、試験終了時まで残っていたのは20人程度だった。現役大学生らはどのような答案を用意したのだろうと気になった。
ちなみ私の答案構成は以下のようなもの。
1 この課題に問題意識を持った理由
2 善く生きるとは
⑴善悪の判断基準
⑵善い意志、道徳法則などのカントの思想について
3 自由であることと善く生きることの関係について
⑴そもそも意志の自由は認められるか
⑵自由と善く生きることの関係
⑶まとめ
4自由と悪の関係 ハンナ・アーレントの思想について
⑵私見
時間と答案用紙のスペースが有ればもっと書きたかった。