50代早期退職者tudanumax の日記

50代で早期退職しようと考えた理由、心境など

集中力の変化

 

今日は大学の哲学の授業日。今回の授業は、「自由を問う」というテーマでドイツの哲学者であるカントとシェリングが取り上げられた。

人間は、それぞれ自由であるがゆえに悪を払拭できない。カントは、これを「根源悪」といい、人間本性における悪への性癖があるとした。善意を標榜する者が多くの人々を搾取し、正義を掲げる者がすざまじい暴力をふるうという現実社会を見据えている。ただし、人間は悪にとらわれていると知る時にこそ、善く生きることを渇望する存在でもある。

 

午前中の授業終了後、いつものように午後1時過ぎころに図書館に入り、今日の授業の復習と、紹介された参考文献を調査し、入手した文献を読んでいた。

 

普段は昼休みが終わり、学食が空いてくるまでの1時間ぐらいを図書館で過ごすことが多い。うつ病になってから集中力を長時間持続することが難しくなり、頻繁に休憩を取らないと勉強が続かないことも、1時間くらいで切り上げている理由の1つ。しかも、哲学書の原文は日本語訳でも意味を理解するのが困難なことが多く、長時間読み続けるのはきつい。

 

ところが、今日は、授業の参考文献であるカント全集第10巻の「単なる理性の限界内における宗教」という論文の第1章を読んでいるうちに、あっという間に時間が過ぎていった。内容がわかりやすかった訳でもなく、何度も止まって戻りながら読んでいったのだが、いつもの眠気はなく、集中力が切れない。気づいたら午後4時近くになっていた。

 

久しぶりに大学時代、若手社員の時代の集中力の感覚が戻ったような気がした。たまたまなのかは分からないが、哲学書を読むことに少し慣れてきたのかもしれない。