今日は昨日に引き続き哲学の授業を受講した。
今回は4月から通っているA大学の3回目の授業で、イギリスの哲学者ロック(1632〜1704)らのイギリス経験論を学んだ。
経験論は、簡単に言うと、知識は経験から得られるとする立場で、デカルトの主張するような理性的な推論を重視する合理論と対比される。そしてロックは、人間に生まれながらに備わっている能力である生得観念を否定し、経験によって外から知識や観念が得られる前は、人間の心は、何も書かれていない白紙の状態(「タブラ・ラサ」という言葉が有名)であると主張する。
このロックの思想を中心に、これを批判したバークリー(1685〜1753)の思想や経験論を更に徹底したヒューム(1711〜1777)の思想にも話が及んだ。
授業終了後に提出した感想文は以下のとおり
「知識は全て経験から導き出されれるというロックらの経験主義を徹底すると、確かにヒュームの言う通り、自己同一性も因果関係も、知覚の束や習慣に過ぎないものになってしまい、客観性を失うことになりそうです。カントがヒュームの思想にどう応えたのか次回が楽しみになりました。」
なお、ヒュームは、経験論を徹底させて、知覚されたものの他に何も実在しないと主張した人物。自然科学の前提である因果関係についても「我々が原因結果について推理する場合にはすべて一方のみが知覚され、他方は過去の経験に照らして補われる。」などと述べて、習慣の産物に過ぎず客観的ではないと主張した。このヒュームを受けてカントが「独断のまどろみ」から目覚め、認識の基礎付けを考え始めたと言われている。