50代早期退職者tudanumax の日記

50代で早期退職しようと考えた理由、心境など

実存主義とは何かを学んだ

 

 

現代哲学の歴史に「実存主義」という言葉が出てくる。第2次世界大戦の直後に運動が広がっていった思想だが、これまで今ひとつイメージが掴めていなかった。

 

例えば倫理用語集(山川出版社)には、「19世紀の合理主義や実証主義に対して、そのような抽象的思考では把握できない個としての人間の立場を強調し、孤独・不安・絶望・苦悩の中で生きる、個別的な「この私」の存在を探究する立場」などと定義されている。一読してもよくわからない定義である。

 

 

ところが、現代の著名な哲学者であるマルクス・ガブリエルの本(欲望の時代を哲学する)を読んでいると、この「実存主義」をわかりやすく説明している部分があり、感動したので概略を引用する。

 

 実存主義の最も大事な成果は次の言葉に集約できる。「自分の人生以外に、自分の人生に意味を与えるものは何一つない」。自分の人生において、自分が唯一の意義の源だということ。戦争の悲惨さを経験し、もはや神は自分の人生に意味を与えたりしないと多くの人々が思い始めた。

 そもそも人生に意味を持ち得るのか?実存主義者の答えは、人生に意味を持たせる唯一の方法は、自己に「投企」と呼ばれるものを与えることだ。「投企」とは、意味を投げ企てること。自分の人生に意味があると想像するのだ。つまり、人生には意味があるけれど、それはあなたの人生の意味に対する想像である。

 「実存は本質に先立つ」(フランスの哲学者サルトルの言葉)。まずあなたが存在する。そして、人生に意味を与える。

 

 

 

もっともこの「実存主義」は、その後「構造主義」という考え方に取って変わられた。自分が自分の人生に与える構造が何らかの理由で外部の要素による結果だとしたらどうなるか?という問いかけによって。すなわち、構造主義」とは、自分の主観性は、構造のネットワークにおける交わりの点のようなものであり、様々な要素(家族、育った環境、記憶、経験、文化的な価値観など)から出来上がった構造が人生に意味を与えるとする考え方だ。

 

 個人的には実存主義の考え方の方が希望が持てて、しっくりくる考え方で好きだ。

 

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