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先日、平日の昼間に眼科を受診した時に、自分よりも年配でリタイアしていると思われる患者さんが圧倒的に多いことに気づいた。確かに平日の昼間であるし、有給を取らないと現役のサラリーマンが受診できる時間帯ではない。自分も早期退職前は土曜日に予約をとって受診していた。
意外だったのは、午後の受診時間前から多くの患者さんが来ていて、我先と順番を争い、中にはなかなか名前が呼ばれないなどと看護師さんにクレームをつけている年配者もいたことだ。リタイアしていて時間に余裕があるのだから、待つことについてイライラしなくてもいいのに、と思うのだが、年配者にとってはそうでもないらしい。
私の場合、別に急ぐ用事もなく、この時間は待つことが当たり前と割り切っていた。あらかじめ読む本を準備し、ゆったりと構えていたので、待つことは気にならなかった。
家に帰ってこの話を妻にすると、お年寄りになると待つことにも体力がいるし、しんどくなると感情を理性で抑えられなくなり、気が短くなるからではないかと言われた。
言われてみるとなるほどと思った。体力が落ちると余裕がなくなり、むき出しの欲望をそれまで抑えていた理性が働きにくくなる。またサラリーマン生活を送る上では他人と協調しなければならない場面が多く、理性が働く場面が多いが、リタイアすると理性が鍛えられる場面が減る。脳科学的にも加齢により前頭葉が萎縮すると欲望を抑えるのが難しくなるとも言われている。
自分も年齢と共に理性の力が落ちてきているのではないかと考えさせられた。例えば、本を読んでいて文章が理解できない時に、しんどくなり、粘り強く意味を理解しようとせずに、諦めるのが早くなったような気がする。体力はジムで鍛えるようにしているが、理性も意識して鍛えていかないといけない。分からないことに粘り強く向き合うことを心がけていきたい。
