今日は、博多駅にある眼科を受診した。10年前に大阪にいた時に緑内障の疑いがあると診断され、その後福岡に異動になり、通院していた病院だ。久しぶりだったこともあり、ふと10年前のことを思い出していた。
その頃は、仕事を辞めるなどという考えは全くなく、定年まで働くのが当たり前で常識だと思っていた。仕事に直接役立つビジネススクールなどには興味があったが、今勉強している哲学には全く興味はなかった。
それが、今から6年前のうつ病による6カ月間の休職という経験をしたことが転機になった。働くことが当たり前ではなくなった。定年まで働く生き方もあれば早期退職する生き方もあると考えるようになった。それまでの常識が常識ではなくなり、一気に社会を見る視野が広がった。
最近哲学を勉強するようになり、哲学の醍醐味は、それまでの常識を疑って深く掘り下げるところにあることを学んだ。先程の例でいうと、私が定年まで働くのが当たり前という常識にとらわれたままでいたなら、早期退職することは出来なかった。うつ病による休職は、自分にとってつらい体験だったが、無意識のうちにそれまでの常識を疑うという哲学をする機会を与えてくれた。
病院の待ち時間に10年前を思い出しながら、そんなことを考えていた。現在哲学の勉強をするようになったのも単なる偶然ではないような気がしてきた。