50代早期退職者tudanumax の日記

50代で早期退職しようと考えた理由、心境など

哲学は何の役に立つのか

 

 

 

哲学は何の役に立つのか

 

3月末で早期退職し、哲学を勉強するようになったが、人に哲学を勉強していると言うとよく聞かれる質問である。

 

哲学が有用性を目指す学問ではないことは明らかである。

むしろ有用性とは何かを考え、有用性=役に立つとはどのようなことかを根本に立ち返って考える学問を哲学という。

 

そこで有用性を少し掘り下げて考えて見る。

まず、「有用」という概念は、何かのために有用であるという目的・手段の関係を想定している。言い換えると、有用な学問とは、当該学問の営み自体に内在的な価値を持つのではなく、他の外在的な目的のために奉仕する手段として価値を持つに過ぎないことになる。有用性を重視する反面、基礎的な学問を軽視する現代社会の風潮があるが、それは学問自体の存在価値を下落させることに気づく。

 

次に、哲学と自然科学を対比してみる。まず、自然科学は、未知の領域を探求し、新たな発見を目指して知識を拡張していく水平方向の知の営みである。これに対し、哲学は、既知の事実を根本から見直し、垂直方向に知を進化させる営みである。自然科学の有用性のイメージを、そのまま哲学のような人文学に適用すること自体が誤っているのではないか。

 

そして、現代社会が直面している困難な課題を物事の根本に遡って考え直し、新たな問いを発するという問題提起型の哲学としての意義は失われていないと考えている。

 

なお、私が哲学を勉強しようと思ったのは、このような哲学の意義を以前から考えていたからではない。学生時代や現役時代には哲学に触れる機会はほとんどなかった。それが早期退職を考えるようになったことが、これまでの人生を振り帰るきっかけになった。もっぱら仕事に関連する実学に目を向け、哲学のような基礎学問や教養を十分学んでこなかったことが心に引っかかった。このように私が哲学に目を向けるようになったのは、早期退職がきっかけになっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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