50代早期退職者tudanumax の日記

50代で早期退職しようと考えた理由、心境など

隣人愛を実践することの難しさ

 

 

 

今日は、早期退職後に通っている哲学の授業日。

 

昨日もカントに関する授業があったことをブログに書いたが、現在大学で哲学の授業を2コマとっており、今日はもう一つの哲学の授業で「愛を考える」の4回目。友情と隣人愛がテーマで、ヘレニズム時代のストア派と初期キリスト教の思想が取り上げられた。

 

とりわけキリスト教は、民族の境界を超えて隣人愛の精神を高めたと言われている。

 

そしてその例として有名なのが、「善きサマリア人」のたとえ話。これは、強盗の被害に遭った人を見て、当時の支配階級であった祭司とレビ人は見ぬふりをして立ち去ったのに対し、当時の被差別民であったサマリア人が助けて手当てをし、宿に連れて行って介抱したというたとえ話である。

 

これは、たまたま遭遇した隣人を愛することの重要性を説いている。また、サマリア人から見ると、被害者は普段から自分達を差別している立場の人でもあった。たとえ敵であってもその傍らに立つことを説く隣人愛の思想が、このたとえ話には現れている。

 

 

授業終了後に以下のような感想を書いて提出した。

 

キリスト教の隣人愛の話しを聞いて、先日見たドキュメンタリー映画(ぼくたちの哲学教室)を思い出しました。北アイルランドの男子校の小学校で行われている哲学教室を2年間記録撮影したもので、街がカトリックプロテスタントの対立が長く続き、暴力の連鎖で街は荒れていました。

特にショッキングだったのは、カトリック系の女子の小学校に通う生徒らにプロテスタント系の住民が罵声を浴びせるなどし、生徒らが泣きながら父兄らに守られて登校する姿が映像で流されていました。同じキリスト教徒で宗派が違うだけなのに。隣人を愛することを実践することはこんなにも難しいのかと思いました。」

 

現代社会で隣人愛という理想を実践することが必要なことは誰もが分かっているが、実践は容易ではない。

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