哲学に関する本を読んでいると、AIの進化で働かなくてよい世界が来たらどう生きるかというテーマに行き当たった。仮に人類が働かなくてもよい自由を得た場合、どう生きればよいのだろうか。
現代の哲学者によれば、2つの方向に分かれるという。
一つは、動物化、すなわち動物と同じように考えること🟰理性を放棄して、最低限の欲求を充足することで満足する生き方をする人達。自由な時間を有意義に過ごす術を知らない人達 のことを言う。自由であることには、耐えがたい孤独と痛烈な責任が伴う。過去においても、大衆の多くがこの重さに耐えかねて、ナチズムなどの全体主義に傾斜していったという重い歴史がある。
もう一つは、与えられた自由を使って、創造的な活動に関わり理性を働き続ける人達。イメージとしては、古代ギリシャ時代の哲学者のプラトンやアリストテレスのような人達。自由が突きつけてくる孤独と責任を受け止めながら、自分らしい生き方をするための知識や精神力を身につけていく人達になる方向がある。
自分はもちろん後者でありたい。早期退職後は、必ずしも働かなくてもよい世界を体験することになる。これまでは、働くことを通して成長するという考えにとらわれて生きてきた。しかし、与えられた自由を楽しめるのも、一つの能力。その能力である考え抜く力🟰思考の武器をこれから身につけていきたい。