50代早期退職者tudanumax の日記

50代で早期退職しようと考えた理由、心境など

早期退職者にとっての自由とは何か

 

 

 

私は、今年の3月末に早期退職した後、大学や文化センターで哲学を学ぶようになった。文化センターでは、ドイツ出身のユダヤ人で政治哲学者であるハンナ・アーレント(19061975)の書いた「人間の条件」という哲学書を読解している。アーレントの思想を学ぶことが「自由」について考えるきっかけになった。

 

アーレントのいう「自由」とは、新たに創設するものでなければならず、何を始めるのかが大事なポイントになる。そしてフランス革命における「自由」について、これはあくまで旧支配階級からの解放という意味の消極的な意味での自由にとどまっていると批判している。すなわち「〜から解放される自由」は本来の自由ではないというのだ。

 

現代の私たちは、仕事から解放された休日に自由を感じると思うが、これはアーレントのいう本当の自由ではないことになる。

 

これを早期退職に当てはめると、仕事から解放されるというだけでは本当の「自由」とは言えないことになる。私が早期退職した時には、このようなアーレントの思想は知らなかった。私も仕事のプレッシャーから解放されるという面に意識が行っていたと思う。早期退職してから哲学を学ぶようになったが、これはたまたま近所に大学があり、そこで哲学の授業が開講されていたからであり、辞める前に綿密に計画していた訳ではなかった。

 

今は、自由を得るという意味について、自分で新たに道を切り開いていくこととセットになっていると考えるようになった。不安もあるし、決して楽なことばかりではないが、今のところ早期退職してよかったと思っている

 

 

 

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