50代早期退職者tudanumax の日記

50代で早期退職しようと考えた理由、心境など

自由意志が認められるかNo.3物理学の世界の視点から考える

 

自由意志を考えるの3回目は、物理学の見地からの検討になります。

 

これは、物理法則が全て数式で表されるのであれば、世界は物理法則で動いているのだから、これから起こることも全て数式で表すことが可能で予測も可能ではないか。宇宙とそこにある万物が既定の法則に従っているのであれば、人は自分の行動に責任を取らなくてもいいのではないかという問題です。

 

この分野は文系脳の私の理解を超えているので、結論だけを示していきます。

 

まず、「カオス理論」と呼ばれるものがあります。これは、ニュートン力学を用いて二つの天体運動については数学的に運動を予測することができるが、3個以上の天体が相互作用する三体問題については、正確に予測することができない。同様に変動要因の大きい気象についてもニュートン力学では説明できないというものです。世界は複雑であり単純に数式=物理法則で動いているとするのでは説明がつかないのです。

 

更に量子力学の世界では、原子はニュートン力学の運動法則に従わないことが明らかになっており、これを「不確定原理」といいます。

 

そして、原子が集まって巨視的な液体や固体になった後も、「創発」と呼ばれる物理法則では説明がつかない問題が待ち受けています。「創発」とは、ミクロレベルの複雑系で無秩序から秩序が生まれるという自己組織化が行われることがあり、その結果、マクロレベルで新しい秩序が生まれることをいいます。創発により新たに出現した性質の法則性は予測できず、因果関係が認められないというのです。そうすると、私たちの意識や行動も創発的なものと解する余地があるのではないか。

 

このように物理学の世界では、自由意志を否定する決定論に疑問が持たれているようです。

 

次回は、これまでの議論を踏まえたまとめをしたいと思います。

 

 

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