50代早期退職者tudanumax の日記

50代で早期退職しようと考えた理由、心境など

自由意志が認められるかNo.1 脳神経科学の見地から考える

 

 

人間に自由意志が認められるかは、哲学上の大問題ですが、実は我々の生活にも影響する問題です。

 

仮に人間に自由意志がなく、運命があらかじめ決定されていた(決定論)とします。そうすると、例えば人が犯罪を犯しても、その人に対して責任を問えないということになりかねず、法治国家は壊滅することになるのではないでしょうか。

 

この自由意志の問題については、相当複雑な議論がなされており、まとめるのが困難なので、何回かに分けて紹介したいと思います。ただし、私の理解が誤っている可能性があることはご了解ください。

 

まずは、この問題を考える上で興味深い脳神経科学の見地からの実験(ベンジャミン・リベットの実験)を紹介します。

 

これは、人が手首を動かす意志を持ったのはいつの時点かについて測定しようという実験です。具体的には、被験者は頭頂部に脳波を測定する電極をつけます。被験者は、好きなタイミングで手首を曲げるが、手首を動かそうとした瞬間に用意された時計の位置を覚えておいて記録化していきました。

 

実験結果によれば、脳波は手首が動き始める0・55秒前から出ており、被験者が手首を動かす意志を持ったのは動き出す0・20秒前でした。そうすると、人が手首を動かそうとする意志を持った瞬間よりも0・35秒前に既に脳波が測定されたことになります。すなわち、脳が無意識に動き出す動かそうとする意志が生じる手首が動くという経過になります。

 

この実験は、意志を持つよりも体が先に反応していることを示すもので、自分の行動は自分の意志でコントロールしていると思っている我々の常識を覆す結果になりました。これは脳神経科学の見地から自由意志を否定する1つの根拠とされているようです。

 

引き続きこの問題を検討していきたいと思っています。次回は左脳にある機能を巡る議論を紹介したいと思います。

 

 

 

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