私は、最近、1話10分で学ぶ有料の教養動画(10ミニッツTV)を視聴している。自分の教養のなさを痛感し、月額2000円を払って、夜の空き時間に見るようにしている。
その中で、先日広く物事を考える必要性について考えさせられる動画を見た。
内容は、忠犬ハチ公の話をもとにして、人と犬の関係を哲学的に考察するというもの。
一つの考え方は、人が自然を操作して人間の都合の良いように変えてきたことの成れの果てが現代のペット化であるというもの。そうであるならば、犬をペットとして飼う行為は倫理的によくないと考えることになる。
動物のペット化の弊害は、もはや犬が自然では生きることができず、人を頼らないと生きられない環境を作ってしまった。そして愛情の対象から外れた犬は保健所で殺処分されているという現実をみると、一見すると暴論にみえるこの考え方もそれなりに説得力がある。この考えを推し進めると、動物園や水族館も倫理的に問題があるし、肉食の習慣も改める必要があるのではないかという問題も出てくる。
ただ、他方で犬をペットとすることで精神的な安らぎを得ている人は多い。ペットは文化として現代社会に根付いている。また、ペットを全部禁止して、全て野生に戻すというのは非現実的だろう。そこで、現在の標準的な見解は、ペット化には倫理的な問題があることを十分踏まえた上で最善の対策を考え、現実的な対応をするというもの。
例えば、動物実験は他の代替手段がないという真に必要な場合に限定し、方法もできるだけ苦しみの少ない方法にするというルールがある。我々の頃にあったカエルの解剖は不必要な殺生として学校では行っていないらしい。