50代早期退職者tudanumax の日記

50代で早期退職しようと考えた理由、心境など

奴隷だった哲学者の言葉

哲学の勉強をしていると、思いがけない良い言葉に出会うことがある。

 

今日は授業の後に、ヘレニズム時代(紀元前334年のアレクサンドロス大王の東方遠征から前30年のプレイマイオスエジプト朝エジプトの滅亡まで)の哲学に関連する文献を読むなどして復習していた時に出会えた。

 

「出来事が君の好きなように起こることを求めぬがいい。むしろ出来事が起こるように起こることを望みたまえ。そうすれば君は落ち着いて暮らせるだろう。」「我々の力によって完全に支配でき自由になるものは思考、意欲、欲求などである。我々の力が及ばないものとは肉体、財産、評判などであり、それらは神(運命、自然)がそれを我々のうちに置くことを欲しなかった故に、我々には何も関わりがないと見なされる。」(エピクトテス)

 

これは、困難な状況や不可避の運命をただ嘆かずに、心を大きくしてそれを耐え忍ぶことにおいて自由があるという意味。これを述べたエピクテトスという人物は、奴隷としてローマで暮らすがその間に哲学を学び、奴隷を解放された後に学園を開いたという哲学者だけに重みがある。

 

あるいはフランスの格言に「必然を徳とする」というものがある。

これも避けられないことはむしろ自発的にするのがよいという意味で、先ほどのエピクトデスの言葉と同趣旨のことを言っている。

思い返すと、これまで、自分ではどうにもならない出来事に対して反応し、心を惑わされることが多々あったように思う。自戒するよい機会になった。

 

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