早期退職してから大学の聴講生として授業に出ている。今日は5回目授業で、「我思う、故に我あり」という言葉で有名なデカルトに関する講義だった。
哲学の授業を受けたり、文献を読んだりしていて、まだ哲学という学問がしっくりこないところがあった。今回講義を聞いていて、その理由の一つが分かったような気がした。
講義の中で次のような話があった。
学問には3種類あり、まず、①確実性のある学問でその典型が数学である。これは異論がないと思う。
次に②確実性は認められない学問で、その典型は医学。意外かもしれないが、例えばある病気に対する投薬治療を行う場合、その治療効果は100%ではなく人によって効果が異なる。
そして③として確実性が求められているが確実性に欠いているのが哲学。どんな精緻な論証をしても誰かが論証の穴を見つけてくる。だからこそ哲学は2000年以上も続いている。
要は哲学は、①数学と②医学の中間に位置している。これに対し、自分が大学時代に学んだ法律学は、絶対的正解を求めるものではなく、さまざまな利益を比較衡量して解釈することが行われていることからしても②に近い。この②と③の学問の方法、仕方の違いに違和感を感じていたのだと思う。
私は予習をしていくので、講義の内容の半分以上は既に文献で読んだ内容と重複することになるが、やはり読書だけでは掴めない新しい発見がある。明日の授業でも何か新しい発見ができればうれしい。