どの学問にもマイナーな分野がある。例えばヘレニズム時代の哲学は、ソクラテス、プラトン、アリストテレスなどと比べて、哲学の世界ではマイナーに扱われている。私が大学で受けている2つの講義のうちの1つは、この時代は省略されて先に進んだ。
しかし、個人的にはこの時代のストア派と呼ばれる哲学者の哲学には心が動かされるものがあった。予期しない苦難についても自分の力でどうしようもないものについては運命として引き受けて、何ものにも動かされない不動心を理想としている。また人の力の及ぶものに対しては人間の意志も重視しており、「思慮ある人は自由であり、無思慮な人は奴隷である。情念を正しくコントロールすることで真の自由を得ることができる。」などと述べている。どのような逆境にも動じない精神の強さを感じさせる。
さらに、ストア派は死の運命をも受け入れているところがあり、現代の安楽死(尊厳死)をどう考えるかという問題にもつながる思考をしている。
ちょうど、有名な歌舞伎俳優が一家で心中を図った?というニュースが報道されていたこともあり、人の生と死に関する問題について哲学はどのように答えるのか興味が湧いてきた。関連する文献を読んでいるうちにあっという間に時間が過ぎてしまった。
テーマが余りに大きく、難しく、私の力では、とても短時間でブログにまとめられるものではないが、引き続き思考を深めていきたいと思った。