50代早期退職者tudanumax の日記

50代で早期退職しようと考えた理由、心境など

非効率な活動をする余白がある方が効率性が上がる


非効率な活動をする余白がある方が効率性が上がる。

 

古代ギリシャ哲学の勉強の合間に眠気覚ましに大学の図書館で読んでいた本(「分かりあえない他者と生きる」マルクス・ガブリエル著PHP新書)から、この文章を見つけた。

 

人間は、24時間ずっと効率的ではいられない。非効率に過ごすことが効率を上げるためにベストであるタイミングを心得ている方が効率性が上がる。何かをすべきでないタイミングが分かっていることは、たいてい人に欠けている大事なスキルだと言う。

 

著者は哲学を勉強している人なら誰でも知っているドイツの現代哲学の著名な学者で、多数の著書が日本でも翻訳されている。執筆量が多いことから、「どうしてそんなに書けるのですか?寝てないのですか。」と聞かれる。これに対し「とんでもない、9時間寝ているから書けるんです。あなたよりもよく寝ていますよ。」と答えたという。

 

自分も早期退職してから哲学の勉強をするようになり、思い当たる節があったので、この文章が特に印象に残った。学生時代のように一日中勉強しているわけではなく、かなり適当に時間を過ごしている。しかし、この1ヶ月を振り返ると、授業の他に、多くの文献に触れ、予想以上に古代ギリシャ哲学の理解が深まったし、デカルト、カント、スピノザなど近代哲学のさわりの部分まで学習範囲が広がっている。まだ何かをすべきでないタイミングまで会得できているわけではないが、集中力は落ちていない気がする。

 

思いがけずに一冊の本から勇気をもらった一日だった。

 

 

にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ
にほんブログ村にほんブログ村 哲学・思想ブログへ
にほんブログ村