今日は、17世紀のスピノザというオランダの哲学者が書いた「エチカ」という哲学書に関する解説本(NHKテキスト100分de名著)を読んでいた。
スピノザによれば、「人間身体を多くの仕方で刺激されうるような状態にさせるもの〜は、人間にとって有益である。」と言っている。
例によって難しく書いているが、人間が反応できる刺激には限界があり、余り刺激が多いと精神的にもパンクする、しかし、多くの刺激に反応できるようになれば人生が豊かになるという意味。
例えば外国語を勉強すれば、外国語で書かれた本からの刺激や会話からの刺激に反応できるようになり、世界が違って見えてくる。より人生が豊かなものになる。
また、スピノザは、「もろもろの物を利用してそれをできる限り楽しむことは賢者にふさわしい。」とも言っている。
このような人は、先ほどの多くの仕方で刺激されうるような状態にある人であり、賢者とは、楽しみを知る人、いろいろな物事を楽しめる人だという意味。
早期退職前の私は、少なくとも、いろいろな物事を楽しめる人=賢者ではなかった。いつもいっぱいいっぱいで、むしろ周囲の刺激をできるだけ避けようとしていた。人生を豊かにするためには、このような精神的余裕があることが必要だと思う。5月以降も、これまで経験していなかったことに目を向けて、今できる環境でできる限り楽しんでいきたい。