一時期うつ病は心の風邪であるというキャッチフレーズが広く社会に行き渡ったことがあった。
誰にでもなりうる病気であることを示す意義はあったと思う。
他方で誤解を招く言葉でもあった。うつ病は病院に行かなくても風邪のように簡単に治るかのように軽く考えてしまう。
うつ病を経験したものからすれば、両者は全く異なる。辛さの質は比較にならず、うつ病では自殺のリスクも高まる。症状が長く続き、先が見えない時があり、症状の持続性が異なる。一度うつ病になると、完全に元には戻れない上、再発のリスクも高い。
そして、私がそうであったように仕事を続けるのが困難になる場合もある。できるだけ早く病院に行った方が良い。しかもどの病院も混み合っていて、初診の予約がなかなかとれない。どうしようもなくなる前に、我慢せず、無駄かもしれないと思っている段階でとりあえず病院に電話することが重要だ。