早期退職に向けて準備したこと

早期退職を本格的に考え始めたのは、うつ病で休職してからしばらく経った4、5年前。まず考えたのは辞めた後の生活基盤をどう整えるか。

お金の問題では、これまで全く興味のなかった投資を始めた。投資といっても株はハードルが高く、始めたのは積立投資信託で、銘柄も指数に連動するわかりやすいもの。リスクを分散するために、さまざまな分野をミックスしたものや、国内、海外、債券、株式など複数の銘柄を選択した。結果的にはトータルすると単に貯金するよりはるかに高い利回りが得られるようになった。

仕事を辞めると、賃貸が難しくなったり、ローンが組めなくなることを予想してマンションを購入した。購入後はいつでも辞められるという安心感のようなものが生まれた。

資産状況に加え、収入と支出の大まかな状況を意識して掴むようになった。やめても年金受給年齢までの約10年間を耐えられるのか、色々なサイトの表を使って試算した。

早期退職することによるメリットとデメリットを表に書き出し、可視化してみた。辞める判断が客観的に見てもおかしくないことを確認した。

これらの準備は早期退職する際に最低限必要なものだった。一時的な感情で取り返しのつかない誤った判断はしたくなかった。徹底的に準備して、その上で決断するという点では普段の仕事と同じだった。