にほんブログ村
今日は、「レガシーピアノ修復完成お披露目コンサート」に、妻とともに福岡市民会館まで行ってきた。
このコンサートは、１９６３年に開館した福岡市民会館に納められ、長年使われていたが、老朽化していたピアノを、クラウドファンディングと企業の協賛金で修復に必要な費用を調達して修復した記念に開催されたもの。私は直接寄附した訳ではなかったが、知人から招待券を譲り受けて、見に行った。
4人のピアニストが参加して、この修復されたピアノで演奏した。第一部は各ピアニストがソロで演奏し、第二部では、2人が連弾したほか、最後には4人全員で連弾するというもの。音楽の知識やスキルがない私でもプロのピアニストのスキルの凄さがひしひしと伝わってきた。
個人的には、仲道郁代さんがソロで演奏したベートーヴェンのピアノソナタ第14番月光の演奏が、もっとも印象に残った。演奏者が演奏前にこの曲の説明をするのだが、この曲名はベートーヴェンがつけたものではないらしい。色々な解釈があるらしいが、一説によればイエス・キリストが十字架を背負いゴルゴダの丘を登っていく場面を想起した音楽とも言われている。作曲家は、神が存在するのか、人が生きる意味、死とは何かなどを自分に問い、それを音楽という形で表現するという。哲学者の問いと似ており、哲学者はこれを言葉で表現するのに対して、作曲家は音楽で表現している。
また、うまく説明できないが、ベートーヴェンの激しく荒波のような凄みのある音楽を、見事に乗りこなして演奏しているように感じた。作曲家の想いを演奏家の解釈を加えて表現している。
今日は、普段経験しない、中身の濃い一日を過ごすことができた。
