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私には悲しい思い出がある。
約４０年前、高校1年の体育祭で、騎馬戦の最中に同級生が落下して半身不随の重傷を負った。
私は別の騎馬の下で支える役をしていたので、どのような体勢で彼が落下したのかは直接見ていないが、おそらく後ろ方向に騎馬から落下したのだと思う。
1対1で順番に行う騎馬戦はまだ危険は少ないが、大将の騎馬の帽子を先に取った方が勝利する形式の騎馬戦は、各騎馬が入り乱れての行動になり、どこから攻撃が来るか予期できない場合がある。みんな興奮しており、危険を察知して手加減するなどという冷静な判断も期待できない。
娘の学校の体育祭では、その騎馬戦を行っている。昨年その様子を見ていたが、安全対策に不安を感じた。落下がないよう補助する人がきちんと騎馬の動きをフオローできていない場面が何度かあった。よほど学校に対して一言言おうかと思ったが、娘の出場種目でもなく、その時は控えた。
ところが、娘が今年の体育祭で騎馬戦に出場することを知った。しかも、騎馬の上に乗るという最も危険な役をやるという。
娘の学校の体育祭は生徒が自主的に考えて行っている。親が余計な口出しをすることは、学校での活動を萎縮させ、有害であることはよくわかっている。しかし、今回だけは、このまま黙って見ているのは、悲しい体験をした者としてのなすべき義務に反すると思っている。騎馬戦を一律やめろと主張するものではなく、やるならそのリスクを十分理解した上で安全対策は徹底して欲しい。せめて娘が騎馬に乗る役をするのはやめて欲しいと思っている。
