私には二つ年上の兄がいる。今回の法事で久しぶりに顔を合わせた。
何気ない会話をしているうちに、何か引け目を感じている自分を発見した。
原因が何かを考えると、兄は現役の社会人なのに対し、私は早期退職して無職になったことが影響している。
この点を深掘りすると、働いている人の方が、働いていない人よりも価値が高いという社会通念があり、それに自分も毒されていることが否定できないことを示していると思った。
しかし、この社会通念は、例えば生活保護を受給している人に対する根深い差別を生み、本当に必要な人が受給を差し控えるという弊害、あるいはブラック企業に勤めていても辞めるという選択肢へのハードルが高くなり、過労死やメンタル疾患を生み出すという弊害を生み出している。
あるいは、直接利益を生み出さない活動は一段下と考え、経済至上主義的な考えに繋がりやすい。例えば人文科学の基礎研究、一般教養に対する無理解にも繋がる。
早期退職を自ら選択したことに、もっと誇りを持ちたい。いたずらに自分を卑下するようなことなく、胸を張って生きていきたい。